研修会報告

認定看護師による研修会のご報告

開催日時:令和元年8月3日(土) 10:00~15:00
会場:仙台市中小企業活性化センター5階 多目的ホール
参加者:69名

連日の暑さが続く中、「手術看護を言語化・具現化」をテーマに認定看護師企画研修が開催されました。
午前の講演では、認定看護師であり東京女子医科大学病院認定看護師教育センターの講師でもある山口紀子先生に「手術看護を言葉にしよう」とのタイトルで、手術看護の特殊性から暗黙知を言語化する必要性と方法、手術看護主要概念の概念枠組み「メタパラダイム」に関してご講演をいただきました。メタパラダイムは、手術をうける患者の「人間」「健康」「環境」「看護」をそれぞれの言葉で表すことにより、自分が考える手術看護とは何かを明確にするものでした。講演後、それぞれが考えたメタパラダイムを、他施設の参加者と意見交換しました。手術看護のベテランから新卒新人、病棟経験者など、経験によって様々な言葉で表現され、どれも頷け、さらに気づかされるものがありました。参加者は自らの足元を確認し、手術看護を言語化し表現することの重要性を再認識できたようでした。
午後からは、東北地区に所属する認定看護師3名(仙台市立病院 鐘江昌美先生、山形大学医学部附属病院 須田義恵先生、岩手保健医療大学 佐藤大介先生)より、経験した事例をナラティブとして語っていただきました。なぜそのような行動をとったのか、患者のバックグラウンドや自らの経験、知識の裏付けからお話しいただき、参加者は聞き入っていました。
夏休み真っ只中ということもあり参加人数はふるいませんでしたが、様々な年代の方々に参加いただき、大変好評でした。日頃のケアを振り返り、自分の手術看護や今後の行動を考える有意義な1日となったようでした。
アンケートにはいつも以上にたくさんのご意見を記載いただきました。以下に示しますのでご参照ください。
今後も様々な研修を企画してまいりますので、たくさんの参加をお待ちしています。




アンケート報告

アンケート回収率:80%

  • 1.手術看護経験年数を教えてください

  • 2.手術看護を自分の言葉で表せそうですか?

    • 暗黙知を言語化する習慣をつけようと思いました。
    • 自分が大切にしていることを深めて、なぜ実践するのか、どんな思いがあるのかを言葉にして伝えていけるようにしたい。
    • 日頃から先輩との振り返りの際自分が何を思いそのような行動したのか語るようにしていたため、ナラティブを用いて自分の看護を語る、相手に伝えることができると考えた。
    • 自分のしてきたことを今回の発表を参考にして後輩の指導に活かしたい。
    • 自分の実践を振り返りからなら始められそう。
    • 患者さんのことを考えて行動してるはずなので、その部分をどう考えていたとか、結果をみて再び考えることをまとめていけば、言葉で表現できると思った。
    • はっきりとした手術室看護が自分の中で分かっていなかった。
    • メタパラダイムに添って、言語化できそうである。
    • お互いに語り合う、問いかけることからはじめれば、日々の中で実践できると思う。
    • 手術室に部署異動してから1ヶ月しか経過していないので、これから見つけ、表現できるようにしたい。
    • 何気なく行っていることを言語化することをスタッフと共に進めてみたい。
    • 日々の実践で自分が行った看護を振り返ることを意識していきたいと思う。
    • 手順書に書き加えていくなど、具体的な方法を知ることができたので実践できそう。
    • 日々思考過程を振り返りながら看護をしていくことが訓練につながると思った。
    • 講義の内容は勉強になりました。でもまだ自分の経験が少ないので、自分の言葉で表すとなると難しいです。
    • 今回の話を聞いたからではなくできる。
    • 手術看護とは何か 考えるきっかけになった。
    • ナラティブということについて理解できた。
  • 3.手術看護認定看護師の実践を聞き、看護観を共有することはできましたか?

    • 言語化して頂いたので分かりやすく共有することができた。
    • 振り返ること、考えること、それを言葉にして伝えていくことが大切だと思った。
    • 「自分ならこうする」「こう考える」と考えることができてすごく楽しかったです。今後も企画してほしいです。
    • 自分の看護観を相手に伝えることが自分の価値観、考え方を共有できる手段だと思いました。
    • 日々入室してくる患者さんにとって大イベントである手術に対して、入室してくるのが当たり前に思わず接していこうと思いました。
    • 自分も手術看護に終わりがないと思っていて、今後の仕事にモチベーションが上がりました。
    • 普段他のスタッフと看護観を共有することが少ないので、認定看護師さんの看護観を聞くことができ、自分の看護観を改めて考えることができました。
    • いろんな角度から話が聞けたので自分の看護観を振り返りながら照らし合わせてとても有意義な時間になりました。
    • 自分の看護観はまだまだ未熟なので理解に及ばないところもありましたが、帰ってからまたじっくり読み返します。
    • 実践やその後の考察は大事とわかっていても、どうしていいのかわからない部分もある。大変参考になった。
    • 多くはないかもしれない症例でも「分かるわ」と思った。どう対応するか、どう対応したかが分かっておもしろかった。
    • もっと事例を報告して欲しかった。
    • 術前で得た情報をしっかりアセスメントし、手術看護に活かすことが重要であることがわかった。
    • 手術室でのエピソードを聞き、考え方など学ぶことができた。
    • 自身が体験したことと重なったため。
    • 自身も共感して聴講することができた。
    • 自分にない考えも聞くことができて勉強になった。患者の背景について見直していきたい。
    • 実体験からの「手術看護」を含めた講義の内容で、自己の看護についても振り返ることができた。
    • 私は手術室経験が2年目で知識や技術はまだ浅いが、これから手術看護を深め言語化していきたい。経験をかたちにして話すことの重要性を感じました。
    • それぞれの場面で、どういう思いでその行動をとったのか、看護を選択したのか、具体的に詳細を知ることができ、とても参考になった。
    • 看護観をしっかり持っていてすごいと思った。私の病院はCNがいないので、話が聞けて良かったです。
    • 人によっていろいろな表現方法があると感じた。
  • 4.その他 自由記載
    • もっとたくさんの話が聞きたいです。今後もこの企画を続けて欲しいと思います。
    • 8月前半は様々な行事があり、来年度は時期を変更して頂けるともっと参加人数が増えるのではないかと思いました。
    • 手術室は病棟より経験値の差が出やすい部署だと思うので、経験ナースの看護観、疾患、術式、既往歴を繋げていく力は新人や経験の浅い看護師にとっては勉強になると思うので普段からコミュニケーションを取ろうと実感した。
    • 手術室勤務が長くなりふと手術看護って何だろうと思っていた時の研修参加だったため勉強になりました。
    • 普段頭の中で思っていたことを講師の先生、CNの方たちの話を聞いて自分の考えは間違っていなかったと自信を持つことができました。
    • 同じ行動をとるにしても、声がけの方法やタイミング、考え方が違うと看護の差がでるんだなと。山口先生のおっしゃっていた小児に対応したお話し、勉強になりました。全体的に楽しく聞かせていただきました。参考にしていきたいと思います。
    • いろいろな話を聞けて、考える機会ができてよかった。
    • ナラティブに関心を持ってもらうスタッフへの働きかけが難しいと思った。
    • 先輩の看護体験をナラティブとして聞いたことはなかったので、とても興味を持って聞くことができました。認定の方でも悩んだり考えたりしながら手術看護にあたっていることを知ることができました。また、このような機会を設けていただきたいです。ありがとうございました。
    • 業務になりがな手術看護ですが、何のためにする必要があるのか、看護師として手術室での役割や看護を考える機会になりました。まだ、1年と数か月ですが、日々振り返り、謙虚に成長していきたいと思いました。ありがとうございました。
    • ナラティブ→レポート、事例のまとめ、看護観 これらの違いとは?ナラティブがはっきりわからなかった。

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