手術看護に関する研修会・周術期管理に関する研修会のご報告
開催日時
- 令和3年3月1日(月)12:00~3月14日(日)17:00
参加者
- 手術看護学会員 77名
目的
- 手術看護に関する研修会
手術医療の実践ガイドライン(改定第三版)第6章 周術期看護とそれに関連する手術看護基準を学ぶ。 - 周術期管理に関する研修会
循環生理・呼吸生理を学び、周術期の管理ポイントを知る。
研修内容
- 手術看護に関する研修会
- 1)
- 「Ⅰ術前看護~Ⅱ術中看護 A器械出し看護」
岩手県立中央病院 手術看護認定看護師 遠藤 満 先生 - 2)
- 「Ⅱ術中看護 B外回り看護」
福島赤十字病院 手術看護認定看護師 根本 聡美 先生 - 3)
- 「Ⅱ術中看護 C外回り看護(局所麻酔)~Fインプラントの取り扱い」
東北公済病院 手術看護認定看護師 水沼 昌子 先生
- 1)
- 周術期管理に関する研修会
- 1)
- 「循環生理について」
みやぎ県南中核病院 麻酔科医師 最首 俊夫 先生 - 2)
- 「呼吸生理について」
宮城県立こども病院 副院長(麻酔集中治療担当)
兼 集中治療部長 兼 手術部長 兼 医療安全推進室長 川名 信 先生
- 1)
今年度の研修会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、予定しておりました令和3年1月「手術看護に関する研修会」および3月「周術期管理に関する研修会」を合同WEB開催としました。会員限定・会費無料とし、WEB配信の研修会期間を2週間設けました。
周術期認定資格要件セミナーの対象研修会のため、研修会視聴後、参加者アンケート後の「設問」にご回答後いただき、その確認ができた方へ事務局より「受講証明書」を郵送いたしました。
手術看護に関する研修会では、器械出し看護・外回り看護・インプラントの取り扱いについて、基礎から分かりやすく説明がありました。日頃の看護について振り返りができ、今後の実践や新人育成に活かせる内容でした。周術期管理に関する研修会では、循環生理・呼吸生理について麻酔科医の視点から理解して欲しいこととして講義がありました。周術期の循環動態や呼吸管理について、知識の再確認ができ学びの深い研修でした。
今後も、東北地区学会では状況に合わせ様々な研修会を企画していきますので、たくさんの方々の参加をお待ちしています。
手術看護に関する研修会・周術期管理に関する研修会アンケート結果
- 看護師経験年数を教えてください
- 手術室経験年数を教えてください
- 3-1)「Ⅰ術前看護~Ⅱ術中看護A器械出し看護」について
その理由を教えてください
- 器械出し看護をしたくなった。
- 器械出しは、術野を見て予測し、術者の進行を妨げないように努力する必要があると改めて感じた。
- 手術を受ける患者は未知の世界で不安や恐怖といった状態にいるため、改めて手術室看護師は心理支援の重要性を感じた。自分も術前外来や術前訪問を行っていますが不安や恐怖に対処するため適切な情報を提供し対処したい。
- 器械出しの看護について日々の業務と照らし合わせて再確認できた。また、その根拠も確認できた。
- わかりやすく、新任者の教育の参考にしようと思った。
- 器械出しの心構えもとても分かりやすく、後輩の指導に活かせると思います。
- ガイドラインと基準の確認ができ、普段の業務における留意点を確認できる機会となった。
- 資料が充実していた。
- マニュアルをただPTにするだけではなく、事例を紹介するなど実戦により近いものになると新人看護師はもっとイメージがつくと思う。
- 他施設の術前訪問の内容がどのようなものか確認できてよかった。
- 3-2)「Ⅱ術中看護B外回り看護」について
その理由を教えてください
- 外回り看護の復習になり今後の教育の参考になった。
- 患者さんの不安軽減は大切だと思った。
- 日頃行っている業務内容についてではあるものの、体系的にまとめられており、改めて留意しなくてはならない点が見えてくる内容であった。新人教育などのスタッフ教育の参考にもなったので自施設でも活用していきたい。
- 外来における術前看護と入院後に行う術前訪問の違いやその根拠を学ぶことができて良かった。
- 外回り看護師は、様々な視点でアセスメントし患者が安心して安全な手術を受けられるように調整する必要があるが、観察ポイントや介入方法が分かりやすいと感じました。
- 新人指導時の根拠・裏付けになると感じた。
- ガイドラインと基準の確認ができ、普段の業務における留意点を確認できる機会となった。
- 経験年数を考えると下の子の指導やプリセプターの指導の役割になるので、自分の復習に繋がった。
- 資料が充実していた。
- 3-3)「Ⅱ術中看護C外回り看護(局所麻酔)~Fインプラントの取り扱い」について
その理由を教えてください
- 周術期看護、外回り看護を指導するうえでガイドラインに沿ってスライドが作られていたのでわかりやすかった。
- 局所麻酔下での外回りとして注意するポイントが分かりやすく説明されていたから。
- インプラントの取り扱いは自施設でも取り入れやすい内容だった。
- 手術室では、必要不可欠な清潔・不潔の取り扱いを学ぶ必要があると思う。
- 初心に帰って日々の看護の振り返りができた。
- 外回り看護はつい主治医の言葉を優先してしまいがちになるが、モニターの変動に注意し、患者に耳を傾けて寄り添った看護が患者の安心安全につながることを学べました。
- 局所麻酔では、麻酔科医が不在で主に看護師が患者の状態を観察・アセスメントし、なおかつ術野の進行状況も見ながら必要な物品の準備をするなど高いスキルが求められる。どのような点に注意してどんなリスクがあるのかを考えて準備する必要があると思いました。
- 局所麻酔の術中看護については、看護師の観察力や意思とのコミュニケーションが取れるように教育が重要になってくると感じた。
- 4-1)「循環生理について」
その理由を教えてください
- 今後の患者管理の項目が増えた。
- 苦手な分野でとても分かりやすかった。
- 基本的なことを学べた。
- 術中の患者の観察ポイントと麻酔科との連携の方法が的確でした。
- 麻酔科医の視点から周術期の循環について学ぶことができる講義で大変参考になった。しっかりと理解して看護に活かしていきたい。
- 麻酔や手術操作の影響により生体の変化も生じてくるので、根拠を明確にし、モニタリングの変動に注視し、手術看護を援助していきたい。
- 循環器医師と麻酔科医師の視点の違いについて学べたのが良かった。血圧変動に関しては再認識することができてよかった。
- モニター管理は麻酔科医に任せているが、看護師も常に患者の状態を観察でき、その状態が安全な状態なのか医師と連携できれば良いと思った。
- 4-2)「呼吸生理について」
その理由を教えてください
- 肺の状態を知ることにより呼吸状態のアセスメントにつなげられると感じた。
- 術中の患者の観察ポイントと麻酔科医との連携の方法が的確でした。酸素分圧について細かく学ぶことができ、普段聞けない内容だったので改めて学ぶことができました。
- 術後管理に活かせる内容だった。
- 循環に関しても同様であるが、モニターが示している数値の事象について理解し、検索することができるように学習していきたい。
- ガス分析に苦手意識を持っていますが、サルの例を挙げて分かりやすく解説してくれました。ただデータの数字を見て判断するのではなく、複合的に見て患者の状態を判断することを学びました。
- 参考にはなったが、計算式や分圧などやや難しかった。
- 自分が苦手な分野だったので、研修会テーマにあってよかった。
- 5.今回のWEB研修についてご意見や問題点などがありましたら入力をお願いします
- 全国的に研修会が開催されなくなっており、意見交換できる場が少なくなっている。学びや気づきを増やせる場を作っていただけると幸いです。また、周術期管理チーム制度、実践指導に関するポイントを確保できる機会も少なくなっているので何らかの形で参加ポイントを確保できるようにしていただけると幸いです。
- Web研修に参加することで、現地に行くことなく自分の好きなタイミングで研修を受けられるため良いと思った。また、再度確認したい個所をすぐできる点も良いと思う。今後もweb開催は必須で、加えて現地開催もあると、なおよいかもしれないです。
- Web開催だと時間や場所を気にせず参加しやすい。次回もお願いしたい。
- 今後もweb開催だと休みの申請もしなくて済むし、交通費もかからなくて参加しやすい。
- 充実した内容の講義を無料で見ることができとても良かった。
- スライドが見やすく、講義をしていただいた講師の声のトーンや間合いもよく聞きやすかったです。
- Web研修は好きな時間に受講できるので良かった。もう少し短い時間のコンテンツであれば、もっと気軽に視聴できると思う。
- 資料をダウンロードしようとしましたが、ダウンロードをクリックしてもうまくできませんでした。
- 自分の時間を有効に使えて良かった。試料がダウンロードできたので今後のスタッフ指導に活かせると思った。
- 基本に返ってみることの大切さを痛感します。手術室業務経験が長いですが、毎回得るものがあるのでとても参考になります。ありがとうございます。
- 期間が短いと思う。一か月はやってほしい。
- 6.その他ご意見やお気づきの点、また今後の研修希望がありましたらご自由にご記入ください
- とても良い内容で、もっと頑張ろうとやる気になりました。
- 仙台地区以外の看護師は研修に参加しにくい状況がある。WEBで講習を続けることは地域格差がなくなりとても良い。
- 手術室看護に関する感染症対策を改めて知りたいです。
- コロナウイルス感染患者の手術事例がありましたら、参考にさせていただきたいです。
- 手術体位の特殊体位における注意点やポイントなどの勉強会の開催(ラバコロン体位、パークベンチ位、ジャックナイフ、腎摘位など)。
- 麻酔科医師の講義も認定看護師の講義もどちらも興味深く、視聴できてよかった。
- 受講証は、テスト全問正解後というのは、何かおかしいのではないかと思った。テストをするというのも、どうかと思った。
- 受講テスト入力欄の会員番号は周術期の会員番号なのか、手術看護学会の会員番号なのか迷うところがあった。
- ぜひまたWeb研修を企画してほしいです。