研修会報告

第44回日本手術看護学会東北地区学会のご報告

開催日時

  • 2024年8月17日(土)  10:00~16:00

参加者数

  • 223名(内訳 現地参加112名 WEB参加107名 招待参加4名)

テーマ

  • 周術期の継続看護~術前から術後までの患者との関わりを考える~

開催形式

  • 現地開催 、ライブ配信

内容

  1. 看護研究発表・実践報告発表・質疑応答
  2. 看護研究・実践報告発表講評
  3. 総会
  4. 特別講演「周術期の継続看護~術前から術後までの患者との関わりを考える~」
    山形大学医学部附属病院 手術看護認定看護師 須田義恵先生
  5. シンポジウム
    仙台医療センター 麻酔科部長 吾妻俊弘先生
    岩手県立久慈病院 手術看護認定看護師 岩﨑孝思先生
    福島県立医科大学付属病院 手術看護認定看護師 松浦久美子先生

今年度第44回日本手術看護学会東北地区学会も昨年度に引き続き現地開催とライブ配信のハイブリット開催にて行いました。ライブ配信については大きなトラブルなく配信でき大変うれしく思います。研究発表・実践報告では各施設の取り組みを発表することができました。
「周術期の継続看護~術前から術後までの患者との関わりを考える~」をテーマにしたシンポジウムでは私たちが日々行っている周術期看護に直結した内容で学びが多かったと思われます。この学びを各施設に持ちかえっていただき、安全・安心な周術期看護を提供するための一助となれば幸いです。今後も、手術看護に携わる皆様のためになる学会運営を心掛けていきたいと考えておりますので、何卒ご協力のほどよろしくお願いいたします。

第44回日本手術看護学会東北地区学会アンケート集計結果

回答数

  • 50






  • 理由)

    • 実践報告が多かったため
    • 他院でどのような取り組みを行っているか知ることができてよかった。
    • すでに実践し、確立されているから
    • 学びたい内容だった。 ロボット支援手術のことや術前外来のことなど。
    • 疼痛管理チームの活動の参考になるため。
    • 術前訪問についてよく学ぶことができた
    • 当院での課題と一致しているため
    • 参考になる内容でした。
    • 術前、術後訪問はしているが外来はしていない
    • 他施設の取り組みを聞くことができたから
    • 現在外来立ち上げの最中のため参考になりました
    • 様々な病院の方法を知ることができ、参考にできる。
    • 現在研究に取り組んでいるため
    • 周術期管理担任者として、今後に参考となる内容でした。ありがとうございました。
    • 術前外来について知りたいと思っていたため
    • 疼痛管理や術前外来など、勤務先でも話題になりますが。未だに実行されない現状のため 大変に参考になりました。
    • ロボット手術が導入されて、新しい術式が次々と増加しているなかで、安全性の担保のために必要なことを再確認できました。
    • 自施設でも導入予定のダヴィンチに関する実践報告だったため。


  • 理由)

    • 看護研究についでも教えていただいたため
    • 実践的で、今後の活動、研究に活かせるものだった。
    • 研究を進めるに当り学びになった。
    • わかりやすかった
    • 問題としている内容を共有することができた
    • 学びになった
    • 今後に活かせる
    • より、詳しく理解出来た。
    • 講評から現在の取り組みが妥当かどうかなど学ぶことが多かった
    • 人材不足を理由になかなか拡大出来ていなかったが、やはり必要性を再確認してます。
    • とてもわかりやすく、なるほど、と聴き入った。資料がないのがとても残念です。
    • 毎年ですが、先生の詳しい研究視点の持ち方に対する説明に納得させられます。 自分も研究をやりたくなるくらいです。
    • 今取り組んでいる研究が実践研究に近いので、進め方が具体的でとても勉強になりました。


  • 理由)

    • 周術期外来の実際を知ることができた
    • 周術期外来の立ち位置が少しわかったが、手術室との連携の話しが欲しかった。
    • よくわかりました
    • 周術期の看護実践の参考になった
    • 学びになった
    • 術後までの関わりを知ることができた
    • 他施設の取り組みの現状を知ることができた
    • 今抱えている問題だったので、参考になります。
    • 当院では術前に歯科医が介入に入っていますが、嚥下機能などの評価はされていません。術前外来も入っていないため、術前訪問での情報収集に大きな示唆を得られました。
    • 入院期間が短縮している昨今、手術が決定した外来の時点で、術前の関わりを持つ必要があると感じていたため。


  • 理由)

    • 今後術前訪問など導入するときの参考になった
    • 学びになった
    • 聞きたいことを座長さんが質問され、どこも同じ内容につまずいていることがわかりました。
    • 手術室看護師が手術室を出て活躍するのが当たり前になってきていることを実感しました。当院ではまだなので、加算がもっと増えれば、本腰を入れて導入になるかと思います。とても参考になりました。
    • 各施設の現状を知ることができ、自施設の目指すべき指標を考えることができた。

3.そのほかご意見・ご感想をお聞かせください。

  • Zoomで聴講することができ、とても良かった。
  • 開催時期について、色々な意味で、考慮して欲しいです。 ランチョンセミナーがなかったのは残念だった。
  • 周術期の継続看護の重要性は、理解できたが 手術部スタッフとして、手術部看護師、病棟看護師との連携が見えてこなかったのが、残念です。外来だけが独立して活動しているように感じました
  • 段取りが悪いと思います。
  • 資料は各自の準備でしたが、以前のように配布されるといいです。
  • 特にありません
  • 有意義な時間でした。
  • 学びの深い1日となりました。また、遠方のため、ハイブリッドで開催していただき、大変助かりました。ありがとうございます。
  • 現在、病棟勤務しています。周術期看護を行ううえで、もっと手術室と病棟と外来が連携できたらいいなと感じています。 本日は、とても有意義な学会でした。 ありがとうございました。
    引き続き、手術看護についての学びを深めたいと思います。また、今回は現地参加できず残念でした。グループワークなど、他施設の取り組みの違いなど知りたいです。
  • 学ぶことの多い1日になりました。各演者の皆様には大変ありがたく存じます。しかし、看護研究発表・実践報告発表の講評の時間が長すぎます。一つ目と三つ目の講評が終了する前に、11:30を超えておりました。講評を行う先生には所用時間を伝え、打ち合わせを行っていますか。主催者サイドが時間を疎かにしているのは些か問題があるのではないでしょうか。次回はこのようなことがないことを願っております。 また、研修自体もやや長いと感じました。10時から15時程度でも十分な学びが得られるのではないかと考えます。
  • 世の中お盆期間中と言うこともあり、交通の利便性や休憩時間の過ごし方など困難であった 開催時期の検討をお願いしたい 今回から、研修資料配布なしであった、それなら参加費を少なくしても良いかと思う。 非会員は、10000円であったが、研修時期、研修内容、配布資料なし、ランチなしを考慮すると高く感じました。また学会に入会するメリットも感じなかった。

シンポジウム時の質問内容と回答

  • 【吾妻先生】
    ・麻酔科からの術前休薬指示をどのように行っているのか
    →麻酔科は患者さんが持参した内服薬の一般名・商品名の区別は困難
    病棟薬剤師に持参薬と照合してもらっている
     薬剤師を巻き込み、周術管理を行う方法もある
  • 【松浦先生】
    ・術後訪問について、「手術を担当した看護師が必要と判断した場合」はどのような時か
    →表皮剥離や皮膚発赤など術中に発生した事項がある場合、術後外来でも経過をみている
    ・術後訪問率はどのくらいか
    →70-80%、全身麻酔手術患者は全例対象で対応した看護師が実施している
    ・術後外来は術後何日目で受診するのか
    →術式に応じて変動
    ・APS対象者も術後外来を受診するのか
    →実施している
  • 【岩崎先生】
    ・術後訪問の時間をどのように設けているのか、また訪問する看護師に基準があるのか
     担当した看護師が術後訪問に行きたがらない
    →行きたくない理由が何かあると思う。術後訪問の目的や、行ってみての情報をどのように手術看護に活かすことができるかなど共有するのが良いのではないか。
  • 【座長から】
    ・術前支援外来にて手術室看護師と共有したカンファレンス内容はどのように共有されているのか
    →電子カルテに記載するか、紙媒体に記録したものを取り込み共有する
     電子カルテ上では日付別に文書が作成されていくため、カンファレンスだけの情報を確認することが難しい。
    施設ごとで導入されている機能は違うため付箋機能など何か目につくことや、入力方法の統一、共通ツールの活用など工夫が必要
  • 【会場から】
    ・意思決定支援に手術室看護師が介入していく必要があるとは感じているが、術前訪問のタイミングをどのようにしたらよいか
    →手術直前の訪問では難しい。一度説明を聞いた後、本人・家族で確認する時間も必要
     施設の機能や受診患者背景も様々で、情報収集・術前訪問のタイミング、術前外来の設置など良い方法は施設によって異なるはず。どの方法が優れているのかではなくどの方法が施設を受診する患者さんにとって良いのか、について議論する方が良いのではないか。

研究発表に関する質問内容と回答

  • ・APSチームによる介入の患者満足度は、具体的にどのような方法で行ったか。
    EX)依頼するタイミング、どのようなことを対象に(内容)評価してもらっているか。フェイススケールのみの表示なのか。患者からの実際の声などはあるのか。
    →3病日回診時、問診の最後にAPSチームによる疼痛管理に対して10点満点で評価してもらいました。
    患者様からの声では「前回の手術時より痛みがひどくなかった。」「痛みがないから眠れた。」など好意的な意見をいただくことが多いです。
  • ・考察に記録の簡素化されたことが回診時間の短縮に繋がったとあるが、変更後の記録の内容を知りたい。
    →変更前の問診項目が40項目ありましたが、変更後は半分以下になっています。
    内容はNRS、副作用の有無、食事、睡眠、離床の程度についてです。
  • ・今回の研究の考察から看護師の行動変容が良く分かったが、他の職種(麻酔科、薬剤師、臨床工学技士)のチームとしての取り組みはあるか。
    →麻酔科:回診予約、回診(休日は麻酔科のみ)、鎮痛薬の処方(必要時)、Ep薬剤追加
    薬剤師:回診、麻薬の返却
    臨床工学技士:自己調節機器の管理
  • ・NRSスケールと満足度スケールを併用したのでしょうか。回診時に同時にされたのでしょうか。
    →NRSスケールと満足度スケールは別の物です。
  • ・術前外来の時期について、麻酔科医師との術前外来はタイミングがずれているのか教えていただきたいです。
    →自施設では麻酔科医師による術前外来は行っていません。手術室看護師による術前外来の情報は術前外来後に麻酔科医と共有しています。
    必要な検査や薬剤調整は主治医と相談し、指示は主治医が行っています。
    麻酔科医は患者が入院後に、術前訪問に伺います


頂きましたご意見に関しては、今後の研修会企画の参考とさせていただきます。アンケートにご協力を頂きました皆様、ありがとうございました。

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